Forest Crew

News / Blog

- お知らせ・ブログ -
2015-07-12
CREW 日 記

日本の窓・ドアは世界に遅れを取っている! 結露に悩む日本の住宅その理由とは。

日本は高度経済成長期を経て、世界トップクラスのものづくり先進国へと成長してきました。
技術力も高く、MADE IN JAPAN=高性能&高品質のイメージは世界各国に広がっています。
しかしながら、日本の工業製品の中でも窓とドアに関しては、世界レベルよりも大幅に劣っています。
住環境とCo2にも大きく関係する窓とドアの断熱性能の重要性について、家を建てる施主はもちろん、建設側の工務店やサッシメーカーも意識が低いのが日本の家づくり、建築の現状です。
environmen02_01_08.gif
窓の断熱性能は、「熱貫流率」という指標で比較します。
U値(W/m2K)という単位、1m2当たり、かつ1時間当たりに通す熱量を表し、小さいほど熱の出入りが少なく高性能であることを意味します。
多くの国では窓の重要性がよく認識されており、U値に関して最低基準を設けています。
キャプチャ
こちらは、世界各国で定めれた窓の断熱性能(U値)の最低基準値表です。
※日本には非常に残念ながら、いまだに最低基準が義務化されていません。
2_20150712154410448.jpg
よくあるアルミニウム製の枠に一重(単板)のガラスを使った窓は、U値が6.5W/m2Kと、
低性能な値なのですが、驚いたことに今もなお、このような製品を販売することが許可されています。
日本の8割以上の窓は、U値が6.5W/m2Kというレベルでしかないといわれています。
また、現在売れ筋商品である、ペアガラスアルミサッシも4.65W/m2Kという低いレベルにとどまっています。
もちろん、当社のオリジナルトリプルガラス木製窓&ドアは北欧基準をもクリアしております。
3_201507121613077e3.jpg
こちらは経済産業省が定めた窓の性能等級表です。
最高レベルでも熱貫流率は2.33W/m2K以下と、諸外国に比べて求められる性能が低く、義務化もされていないのが現状です。
次世代省エネ基準という1999年(平成11年)に定められた古い基準が、未だ住宅業界では一般的な指標となっています。
基準値は地域によって異なり、東京や大阪など日本の大半のエリアでは、窓性能の目安として4.65W/m2K以下となっており、欧州だけでなく、近隣で同緯度の韓国では、最低基準値が2.7W/m2K、推奨値は1.6Wm2Kとされています。
中国よりも基準値を下回り、日本の基準が低いかが良く分かりますね。
日本の住宅が結露に悩まされる大きな理由のがここにあります。
なぜ、世界各国がこのように窓の高性能化を厳格に進めているのか。もちろん、理由があります。
1_20150712161626671.jpg
以前のブログでも何度かご紹介して参りましたが、住宅の熱の損失を部位ごとに表したイメージ図です。
開口部を通して、冬に暖房の熱が逃げる割合は58%。
夏の冷房中に入ってくる割合は73%にも及びます。
暑さの原因の7割、寒さの原因の6割が窓とドアなのです。
どの国でも冷暖房にかかるエネルギーはかなり大きな比率を占めており、その原因の半分以上を占める開口部の性能を厳しく規制することは、極めて合理的で環境(Eco)にも経済的にも優しいのです。
2_20150712162355b17.jpg
窓・ドアの問題は枠(フレーム)にあります。
日本のサッシの大半は、枠がアルミでできています。
理由はアルミが加工しやすい、工場のラインがアルミ向けであるといった造り手側の都合にあります。
しかし物理的に考えれば、非常に熱を伝えやすいアルミを窓枠に使うことはあり得ません。
熱伝導率は、アルミと木製ではで約1250倍も異なります。
冬場にサッシが結露するのは、アルミのフレームからなのです。そのため、ペアガラスを採用しても結露を引き起こしてしまうのです。
paritalo-kuusamo-yllas-5-10000x10000.jpg
-40℃にもなる厳しい環境でも大開口の木製サッシで、結露のないフィンランドログハウス。
北欧では窓の結露はもちろんのこと、壁体内の結露においても厳しく抑制されており、
『建築物理上、結露を引き起こすのは誤った設計であり、人の健康を害するため瑕疵である』
という考え方が根底にあります。
住まう人の健康を国や建築業者がどのように考えるか、欧米と日本の意識の違いよく分かります。
北欧を始めとする欧米ではこれまで20年以上かけて、地道に断熱強化への取り組みを続けてきています。
厳しい開口部の基準値を義務化し、ようやく一次エネルギー基準に取り組み出しています。
一方、日本では、2020年の省エネ基準の義務化によって低炭素住宅が始まりますが、開口部の断熱性能の低い状況を放置しながら、省エネ設備機器によって一次エネルギーさえ減らせれば良いと考えている節があります。
そのため、住宅の性能が満たされていない場合でも、太陽光発電機器などによって、一次エネルギー消費量をクリアすることが可能なのです。
エネルギー輸入量、光熱費、CO2(二酸化炭素)排出量を減らすことが目的で、人生でもっとも高価な買い物と言われるマイホームを購入し、住宅ローンを支払いがら何十年もそこに住む人の快適性や健康といった、本来最も重要な住環境についてはおざなりになっているようです。
まずは、開口部の性能を高めた基準値を義務化しながら、一次エネルギーを削減すしなければ、本末転倒なのではないでしょうか。
当社では、北欧に学び、開口部である窓・ドアの性能を重要視しています。
2020年低炭素住宅義務化に向け、木製サッシのJIS4710A(建具の断熱性能試験)実施し、当社の建物が標準仕様でその基準をクリアすることにこだっております。
住まう人が健康で快適に、長く住み続けながら愛着のあふれる住宅に!そして、真の省エネ住宅&低炭素住宅を追求しています。
A.Ikegawa

Archive

トップへ